犬のバベシア症ってご存じでしょうか。
バベシア症は原虫による血液の感染症です。
原因がわかっても完治の難しい感染症なのでかからないようにするのが一番です。
今回のテーマが犬のバベシア症。
犬の病気 バベシア症ってどんな病気?
以前は決まった地域にしか感染がなかったバベシア症。
近年になって全国的に発生がみられるようになりました。
決定的な治療薬がなく重症化すると死亡することもある感染症です。
バベシア症の症状
感染してから2~3週間で症状が出ると言われています。
主な症状は 発熱・貧血・脾腫・黄疸など。
貧血にともなって元気が無くなったり、食欲が無くなったりすることもあります。
また感染していても症状を表さない不顕性感染もあるとみられます。
貧血状態が続くと体に酸素が運ばれなくなり、心臓に負担がかかります。
進行すると重度の貧血がおこり死亡することも。
バベシア症の治療
治療薬といわれる特効薬はありません。
急性期を脱してもバベシアが完全に体から消えません。
症状が軽くなっても何度も繰り返すことがあるので継続して観察、治療が必要になります。
犬のバベシア症 どうやってかかるの?
ダニか介在していることは有名ですね。
どんなダニや原虫なのか説明していきましょう。
犬のバベシア症の原因の原虫
バベシア原虫には何十種類もあることがわかっています。
そのうち犬に感染するのはバベシア・ギブソニとバベシア・カニス。
国内で広く感染があり、ほとんどの感染はバベシア・ギブソニです。
馬や牛に感染する原虫が家畜伝染病予防法で指定されています。
人にも感染するバベシア原虫がいますが犬に感染する原虫とは別の種類です。
犬の赤血球内で増殖する際に血球を破壊してしまうので溶血します。
通常ビリルビンが尿中に出るのは赤血球の破壊が増えた時などに起こります。
犬のバベシア症の感染経路
ライム病と同じようにマダニから感染します。
また、母犬が感染していれば胎盤感染するとも言われています。
通常マダニは皮膚を噛み破り頭をつっこんでセメント様の物質で犬にひっついてにじみ出た血液を吸い取ります。
血液って固まる作用がありますよね。
マダニの唾液には血液が凝固しない成分や刺激を抑える成分が含まれています。
血を吸う行為と唾液を出す行為を交互に繰り返してとりつき続けるんですね。
マダニはこのような面倒な作業を行って吸血を始めるのでダニに取りつかれて2~3日以降に感染すると考えられています。
犬のバベシア症の予防
完全に治療できない原虫症のバベシア症はダニに刺されないよう気をつけることで予防できます。
スポットオンタイプのノミダニ予防薬が有効です。
またスプレータイプの虫よけなどを活用して取りつかれないようにしましょう。
サラテクトの動物用です。
逆さまにしてもスプレーできるので取りつかれやすい腹部や脚などに。
お散歩前に使ってダニが寄り付かないようにしましょう。
お散歩や外遊びから帰って家に入る前に最後のチェックです。
犬の体をチェックしてダニがついていないか調べておきましょう。
顔回りなど要注意ですよ!(草むらに顔つっこむから)
犬のバベシア症 まとめ
昔は局地的な発生だったバベシア症。
感染地域は広がっているように感じます。
ダニに吸血されないようにすることが一番の予防になります。
また動物病院にかかるときはダニに刺されたことがあるかないか、きちんと伝えるようにしましょう。