コバラミン吸収不良症という病気をご存じでしょうか、
コバラミンとはビタミンB12とも言われている栄養素。
肉に含まれていてレバーやシジミに多いことは良くしられていますよね。
不足すると大変な栄養素ですが摂取しすぎても水溶性なので大丈夫なのだとか。
今回はそのコバラミンの吸収が出来ない疾患、コバラミン吸収不良症についてです。
犬の遺伝性疾患 コバラミン吸収不良症って何?
人のイマースルンド-グレスベック症候群に似た症状の疾患です。
コバラミンの吸収がされなくなることでビタミンB12の欠乏がおこります。
コバラミン吸収不良症の原因
ボーダーコリーにみられるコバラミン吸収不良症は遺伝が原因です。
常染色体劣性遺伝します。
コバラミンって何?
ビタミンB12ともいわれる水溶性ビタミンのひとつです。
代謝に関与していて葉酸の再生産に利用されていて葉酸で代替えされます。
DNA合成、調整や脂肪酸の合成やエネルギー生産の関与はとても大切な働き。
野菜や果物には含まれていません。
コバラミンは食品中ではタンパク質と結合していて経口摂取されて胃の中で分解されて遊離状態となります。
遊離したコバラミンは胃壁から分泌された糖タンパクと結合し「内因子ービタミン結合体」へと。
結合体のまま腸を通過して回腸で吸収されます。
コバラミン吸収不良症の症状
間欠性(一定の間隔で)に食欲不振、貧血、好中球減少、生育不良、筋肉量の低下がおこります。
コバラミン吸収不良症の治療
定期的にビタミンB12の投与を行います。
早期に治療が行われれば良好な経過を得ることができるので、早期発見に努めます。
犬の遺伝性疾患 コバラミン吸収不良症の検査と予防
先天性の疾患なので予防法はありません。
繁殖前に遺伝子検査を行う事で発症犬をなくすことが出来ます。
遺伝子検査って?
コバラミン吸収不良の遺伝子を血液検査で調べる事が出来ます。
繁殖前に組み合わせを考えれば発症を防ぐ事ができるので是非実施していただきたい検査です。
クリア (発症無し・健全)☆☆
キャリア (発症の危険性は無いが因子を持っている)☆★
アフェクテッド (発症します)★★
※獣医学部のある大学などで検査が可能な場合があるので問い合わせてみるといいですよ※
繁殖時の注意事項
上記の結果を踏まえて交配計画を立てるようにしましょう。
組み合わせによる子犬の発症の確率 クリア(☆☆)キャリア(☆★)アフェクテッド(★★)
組み合わせ | 父犬☆☆ | 父犬☆★ | 父犬★★ |
母犬☆☆ | 100% ☆☆ | 50%☆☆ 50%☆★ | 100%☆★ |
母犬☆★ | 50%☆☆ 50%☆★ | 25%☆☆50%☆★25%★★ | 50%☆★50%★★ |
母犬★★ | 100%☆★ | 50%☆★50%★★ | 100%★★ |
アフェクテッドが出る組み合わせをさける事で回避することが出来ます。
犬の遺伝性疾患 コバラミン吸収不良症 まとめ
ボーダーコリーにみられる遺伝性疾患の コバラミン吸収不良症についてでした。
ビタミン不足?なんて思わずに深刻に考えてあげましょう。
食べても吸収されないので獣医の治療は必須となります。
定期的な治療を行えば通常通りの生活が送れるので早期に発見して治療してあげたいもの。
該当の犬種を飼育していてあれ?と思うことがあれば獣医に相談するようにしましょう。
今回は コバラミン吸収不良症、ビタミンB12を吸収できなくなる遺伝性の疾患についてでした。