レプトスピラって聞いたことありませんか?
人の感染症でもあるのでご存じの人も多いのではないでしょうか。
衛生環境の向上で集団で発生することはなくなった病気ではあります。
ですがまだまだはっせいしている病気なのです。
人でも犬でも感染すれば届出の義務があります。
今回のテーマは犬のレプトスピラ症。
人畜共通感染症といわれる人にもうつる病気についてです。
犬のレプトスピラってなに?
動物由来感染症のひとつ。
レプトスピラ症は人にも犬にも多くの哺乳類にうつる病気なのです。
犬レプトスピラ症の原因は?
レプトスピラという種類の細菌が原因の感染症です。
スピロヘータって聞いたことありませんか?
かの有名な梅毒なんかもスピロヘータの仲間ですよ。
らせん状の形をした細菌のグループの総称がスピロヘータです。
その中の病原性のレプトスピラは250を超える血清型で分類されるといわれています。
犬レプトスピラ症の感染経路は?
ネズミなどを自然宿主とした感染。
ネズミなどの野生動物の腎臓尿細管で増殖した細菌が尿とともに排出されて水や土壌を汚染します。
その水や土壌から病原菌を経口・経皮で感染すると考えられています。
何年か前にフィリピンで大規模に冠水した際に集団感染したこともあり、洪水など自然災害のあとは気を付ける必要があります。
犬レプトスピラ症の法律での扱い
4類感染症に分類されていて人のり患は全数報告の義務があります。
また犬については家畜伝染病法で届出伝染病と定められています。
犬のレプトスピラってどんな病気?
細菌感染による犬のレプトスピラ症は様々な症状がでます。
感染する血清型によって症状がことなります。
特徴的なのは肝臓と腎臓へのダメージ。
感染すると腎臓で増殖し排菌するようになります。
犬のレプトスピラの症状は?
不顕性感染
感染に気付かないまま抗体ができてしまいます。
そのまま感染源として尿に細菌を出し続けることも。
慢性型
症状の進行がゆるやか。
進行性の肝不全や風邪症状がみられる、そのまま回復する犬や治療を要する犬が。
進行がゆっくりなので比較的治療しやすいですが尿に細菌を出し続けるので注意が必要です。
急性型
突然発症し 発熱・食欲不振・嘔吐などがみられぐったりするなどの症状が。
口腔粘膜が壊死をおこし肝不全や腎不全 どちらの症状もあらわれる事があります。
死亡率がたかく早急な処置が必要となります。
甚急性(じんきゅうせい)
発症してから数時間で亡くなる事も。
急激な発熱に体の震え、粘膜のからの出血や出血傾向みられ鼻血やタール状の血便があることも。
黄疸がみられる事もありますが発現するまでに死亡する事が多いよう。
犬のレプトスピラの診断方法は?
血液検査・尿検査・犬の症状などからの総合的な判断となります。
簡易的な検査としてELISA法やPCR検査を行って判断していきます。
血液検査では初期にしか発見できなかったり、尿検査では排菌していないときのあったりで偽陰性となることも。
犬のレプトスピラってどんな治療をするの?
急激に症状が進行する場合は早急に診断・治療を開始することが重要になってきます。
肝不全になることで解毒されずに毒素が体をまわったり腎不全となることで尿毒症になることも。
いち早く診断してもらい治療にあたってもらいましょう。
治療方法
犬の症状にあわせた治療とレプトスピラに対する抗生物質の投与を行います。
例えば脱水していれば輸液するなど。
治療後回復していっても長期間 尿に細菌がのこるので投薬期間が長くなりがち。
勝手な判断で投薬をやめないように気をつけましょう。
予防方法
いくつかの血清型に対するワクチンがあります。
アウトドア活動をよくするわんこやちょっとカントリーサイトに住んでいる犬はあらかじめ打っておいたほうがいいでしょう。
2種混合ワクチン(ノビバックLEPTO)
4種混合ワクチン(バンガードL4)
7種混合ワクチン・8種混合ワクチン・10種混合ワクチン
に含まれています。
犬のレプトスピラのまとめ
人と動物がかかる共通の感染症であるレプトスピラ症。
共通ということは同じ病原菌で発症するということ。
愛犬がもしレプトスピラと診断されて治療する事になってしまったら。
尿や排泄物の取り扱いには注意しましょう。
ペットシーツにした尿は密閉して廃棄するようにしましょう。
塩素系の消毒液をかけておくと良いかもしれません。
また感染源とならないように屋外で排泄した場合はかならず消毒するように。
扱うときは手袋をしておくと安心です。