暑くなってくる季節になると皮膚病のわんこも増えてきます。
アトピーや疥癬症など皮膚炎の原因はさまざま。
その中でも今回はダニが原因の疥癬症をテーマに紹介していきます。
原因がはっきりわかっても皮膚の中に住みつくイヌセンコウヒセンダニ。
直接シャンプーで落とせないのがちょっとやっかいです。
犬の疥癬症ってどうなるの?
最近、あちらこちらで疥癬に感染したタヌキが多く見られるようになりました。犬・猫・人にも感染しますので要注意です。 pic.twitter.com/56RijMmO6C
— aoki.119 (@TOrMR9jxntZFsgg) April 28, 2021
疥癬は最高級(?)の痒みが特徴の皮膚炎です。
表皮に赤いぽつぽつが出来る、かさぶたが出来る、脱毛する、脂漏症になるなどの症状に痒み。
ひどい痒みで掻き壊して二次感染が起こることもあります。
犬の疥癬症の原因
今日の疥癬。
鱗屑一片に、虫体が4匹、虫卵の脱け殻が30-40。#ヒトヒゼンダニ pic.twitter.com/pkaqEGJzpn
— Kenny大学院生 (@DrKennyKosaka) February 22, 2020
イヌセンコウヒセンダニというダニが原因。大きさは0.2~0.4ミリと小さなダニ。
犬の表皮にトンネルを作って産卵・生活します。
皮膚をスプーンのようなもので掻きとって顕微鏡で探す直接法で検査します。
原因が見つけにくいのですが激しい痒みや他の皮膚炎の治療に反応しない場合はこの疥癬を疑います。
犬の疥癬症の治療方法
ダニの駆虫を行います。
フィラリア治療薬のイベルメクチンが有効です。
1~2週間おきに経口投与か注射で駆虫。
薬浴(アミトラズなどの農薬の希釈液・要指導)が行われることもありますが副作用があることも。
疥癬を発見してしまったらそのわんこの部屋をバルサンなどで殺虫すると安心です。
ヒセンダニは60度以上のお湯で死滅するのでリネンなどの毛布類は熱湯とかけるなどしましょう。
いくら駆虫しても環境中に生存していればまた感染してしまいます。
徹底して駆虫・殺虫することで治療してあげましょう。
犬の疥癬症って人にもうつる?
人でも疥癬症がありますよね。
介護現場などでの人から人への感染が問題になることも。
端的に言うと人に起こる疥癬症はヒトヒセンダニでの感染で犬にはうつりません。
犬のヒセンダニは犬の仲間に感染しますが人にはうつりません。
たぬきやキツネの疥癬はうつるということですね。
ただし、繁殖はしないだけで犬から人に移動したヒセンダニが人の表皮に寄生することはあります。
犬の疥癬症 まとめ
ヒトでも発生のある疥癬症はとにかく痒いのが特徴。
野生動物であるタヌキやキツネにも感染がひろがって問題になっています。
繰り返し投薬管理が出来ないので無理もないのですが。
愛犬が疥癬と診断されたら治療は時間がかかると覚悟してがんばりましょう。
途中でやめてしまったら再発して愛犬に同じ苦しみを繰り返しあたえることに。
同居の犬や猫がいるときは同時に見てもらった方が良いかもしれません。