皮膚血管炎って犬には珍しい病気。
文字通り皮膚の血管に炎症を起こす状態を言います。
今回は犬の皮膚血管炎がテーマです。
犬の皮膚病 皮膚血管炎ってどんな病気?
上でも皮膚血管炎は皮膚にある血管が炎症を起こす病気です。
血管炎症候群について
血管は人でも犬でも全身に張り巡らされています。
その血管に炎症が起きる症状で、皮膚以外の他の部分でも起こりえます。
皮膚血管炎について
血管の炎症が皮膚の血管で起こっている状態が皮膚血管炎になります。
皮膚血管炎は皮膚にある血管になんらかの障害が起きている状態を言います。
皮膚血管炎の原因
血管に炎症を起こす原因はいくつかあります。
- 狂犬病予防接種の副反応(接種部分の脱毛が数か月後に起こることがある)
- 寒冷凝集疾患(寒さで赤血球が凝集して(固まって)血行障害を起こす疾患)
- 全身性エリテマトーデス(自己免疫疾患で皮膚に紅斑ができる)
- 糖尿病や腎疾患などの代謝性疾患(合併症としておこります)
- 感染症(細菌や真菌などの感染症で引き起こされます)
悪性腫瘍や薬疹などでも起こることがありますし、原因がはっきりしないものも多いようです。
皮膚血管炎の症状
毛におおわれているのでわかりにくいところもあるかもしれませんね。
血管に炎症が起こり血行障害が起こることで症状があらわれます。
- 紫斑(青タンですね、血管が破れて出血が起こっている)
- 皮膚の壊死(血行障害が起こり酸素や栄養が運ばれなくなるため起こします)
- 皮膚の潰瘍(上皮組織の欠損が起こることを潰瘍と言います)
犬では耳、口唇、口腔内粘膜、四肢、尾などに症状がでます。
皮膚血管炎の診断
炎症の原因が多くあり、よくわからない事も多い皮膚血管炎。
炎症が起こっている皮膚を直接検査します。
トレパンなどどいわれるパンチ生検などで切り取って病理検査を行います。
皮膚血管炎と似たような症状の病気があります。
皮膚血管炎の治療
血管炎を起こしている原因の治療を行います。
原因の治療と並行して炎症を抑える投薬も行います。
通常抗炎症剤としてステロイドを2~4週間投与します。
通常ステロイドの投与は段階的に減らしていきます。症状が無くなるまで投与したのち用量を減らす、回数を減らしていきます。
犬の皮膚病 皮膚血管炎のまとめ
まれにしか診断されることがないとされている犬の皮膚血管炎。
血管炎が起こっている場所が皮膚のみなのか、他の部分にも起こっているのかで治療期間が変わってきます。
長期での治療が必要な事があるので愛犬が皮膚血管炎と診断されたら獣医師に良く説明をうけましょう。